なんと、ドイツで新しいバンドネオンの書籍が発売され
ようやく私、外道の手元に届きました。
その名も
‘’Heinrich Band. Bandoneon – Die Reise eines Instruments aus dem niederrheinischen Krefeld in die Welt ’’

Heinrich Band. Bandoneon
Die Reise eines Instruments aus dem niederrheinischen Krefeld in die Welt
Klartext – Heinrich Band. Bandoneon
発売日: 2020年5月15日
368ページ
ハードカバー
ISBN: 978-3-8375-1970-9
ハインリッヒ・バンド(Heinrich Band)はクレーフェルト(Krefeld)生まれで、1845年当時のドイツで人気の「アコーディオン」あるいは「ハーモニカ」と呼ばれていた楽器を改良し、バンドネオン(Bandoneon) を開発した人物です。
バンドネオンの元になった楽器とは「ジャーマンコンサーティーナ(German Concertina、 独:Konzertina)」、これは、カール・フリードリッヒ・ウーリヒ(Carl Friedrich Uhlig) という人物が1834年に開発した Bi-Sonicの楽器です。
この書籍はハインリッヒ・バンドの伝記、バンドネオン開発に至る歴史、バンドネオンがアルゼンチンに渡ることになった経緯が書かれています。
この本が出るまでは、
・Dunkel, Maria, Bandonion und Konzertina. Ein Beitrag zur Darstellung des Instrumententyps, 2. Auflage, München/Salzburg 1996.
・Oriwohl, Karl, Das Bandonion. Ein Beitrag zur Geschichte der Musikinstrumente mit durchschlagenden Zungen, 2. Auflage, Berlin 2004.
辺りがバンドネオンの聖書だったのですが、入手は少しめんどいです。結構昔の本です。

初期のバンドネオンの写真、工場や当時のチラシの写真、楽譜など資料も満載の書籍です。綺麗な写真がびっしり!
バンドネオン関係者やバンドネオン奏者の紹介も有り!
気になるお値段は、
1冊辺り 29,95 € ≒ 3,500円 (送料別、2020年6月現在)
安いよ~!
Stockは700冊のみとのことです。
ELA社、Alfred Arnold社のバンドネオンユーザーの方は必読の書と言えよう。ただし全文ドイツ語での記載です。
いや、我々の言語はBandoneonだ!問題なし!
ちなみにこの本の記載不備に関してご立腹な方が居ります。
バンドネオンの第二の故郷 Klingenthal(クリンゲンタール)周辺の方々やらバンドネオン研究者の方々です。
バンドネオンの業界には派閥があります。
この本はとにかくハインリヒ・バンドの生まれ故郷のクレーフェルト推しのややゆるめの内容ではありますので、「オレ山脈」やら「クリンゲンタールの弦楽器製造」やら「Uni-Sonicのバンドネオン」などの関連情報を無視するんじゃねえということです。バンドネオンについて語る方はこの辺は気を付けましょう。
ヘイコ・グーター(Heiko Guter)氏を筆頭に辛辣なレビューが展開されております。
http://xn--bandonen-13a.com/Rezension.pdf
Guter氏に関する当サイトの記事はこちらです、
バンドネオン→コンラドニオン!?
ちなみに本書に関する動画はこちら、
ドイツ語 → 英語字幕での視聴をおすすめします。
Krefeld – Heimat des Bandoneons: Die Geschichte von Heinrich Band und seinem Instrument
以上