バンドネオン→コンラドニオン!?

外道です。
今回も熱いバンドネオンの話題です。

ドイツ国ザクセン州ライプツィヒ地区にあるナウンホフ(Naunhof)という町には

Altes Kranwerk
http://www.kranwerk.com/

というイベント会場 兼 レストランがあります。古いクレーン工場を改装したユニークな会場です。

シタールとボタンアコーディオンの演奏のような珍しい演奏もここで披露されるようですが、

この会場の最大のミッションは「バンドネオン文化の保存」です。

ザクセン州の現地の方にとってバンドネオンは既に「失われた文化」扱いですが、それに対抗して「ザクセン州発のバンドネオンという楽器のおかげでアルゼンチンタンゴという素晴らしい文化が存在するんだよ」とバンドネオンの文化を逆輸入するスタイルです。

よって、この会場 Altes Kranwerkではアルゼンチンからのゲストが参加するバンドネオンフェスティバルも開催されたりします。

それだけではございません、
2011年に設立された楽団「タンゴカランボラージュ(Tango Carambolage)」の演奏を聞くこともできるようです。

編成はバンドネオン10名、バイオリン10名、ピアノ、コントラバス、チューバ、ギター、ボーカルとなっております。


楽団長はバンドネオン奏者 ユルゲン・カルテ(Jürgen Karthe)氏です。

Jürgen Karthe
https://www.fermate.cc/juergen-karthe/

ユルゲン・カルテ氏のソロ演奏
Jürgen Karthe – Bandoneón
Fabian Klentzke – Piano


ユルゲン・カルテ氏は元々アコーディオン奏者でしたが、バンドネオンとタンゴがあまりにも好きすぎて独学でバンドネオンを開始してしまい、ついにはブエノスアイレスに修行しに行ってしまったようです。

以降はロンドン、パリ、横浜、イスタンブール、モスクワなどで国際的な演奏活動をされております。

カルテ氏はこの会場で上級者向けバンドネオンワークショップ「タンゴと即興」も主催しております。




で、本題に戻りますが、
今回このAltes Kranwerk所属のバンドネオン奏者 兼 バンドネオン研究家の ヘイコ・グーター(Heiko Guter)氏が新方式のボタンレイアウトを考案し、パテントを取ったご様子でして、


究極のキーボードデザイン「CONRADONION (コンラドニオン)」だって言ってるんですよ。


バンドネオンには Uni-Sonic (開き閉じ同音)とBi-Sonic (開き閉じ異音) 2種類が存在するわけですが、グーター氏が使用するバンドネオンは Bi-Sonicの中の アインハイツ式(Einheits)バンドネオンになります。ドイツのフォークソングをご専門にされてる方です。


アインハイツ式(Einheits)ですが、
前回の記事 アルゼンチン発!バンドネオンチュートリアル動画
で紹介したライニッシュ式 (Rheinische Lage)とは違うんです。


「Einheits = 統一」という意味でして、昔、とんでもない種類のボタンレイアウトがドイツ国内に存在していたのですが、偉い人が会議でボタンレイアウトの標準仕様を若干無理矢理定めたという歴史があります。

工房ごとあるいはオーナーごとに自由なボタンレイアウトにしていたから、そりゃ誰かが仕切らなきゃそうなっちゃいますわ。

ここではとりあえず、

ドイツの標準仕様が アインハイツ式
アルゼンチンの標準仕様が ライニッシュ式

ということだけご承知おきください。




アインハイツ式(Einheits)バンドネオンは 左手側 35ボタン、右手側 37ボタンの144音が標準仕様です、下図になります。筆者が昔作成したものです。

Einheits Bandoneonのボタンレイアウト

ここで1点、

ボタンレイアウト図にもありますが、
このように
開きは「凵」、閉じは「∧」
で記載するのが本来正しいものになります。楽譜で「開き弾き」「閉じ弾き」の指示をする場合もこの記号を記載します。

前回の記事の、
開き(ABRIEND)  = 「A」、閉じ(CERRANDO) = 「C」
は、あくまでもアルゼンチン基準のルールになりますので、ご注意ください。



一方、今回のグーター氏は左手側のボタン配列を改良したものを発表しておりまして、

CONRADONION (コンラドニオン)グーター氏が左手側レイアウトを最適化



[変更箇所]
1/4部:開き閉じ同音でしたが、開き弾きの 低い「ファ#」を「ソ#」に変更
4/4部:左上(0,2)に再配置
5/0部:開き弾き「ソ#」を「ファ#」に変更
15 部:開き閉じ同音でしたが、閉じ弾き 「ド#」 をさらに低い 「シ」に変更(音域拡張)



大胆にいろいろいじってますね!

とにかく最低音に「H = シ」を入れたのがこの方式「コンラドニオン」の最大の売りです。

筆者の楽器とそこは一緒ですから、気持ちはわかります。
他の変更箇所はさておきね。


グーター氏が普段ご自身を「ハインリッヒ・コンラッド(Heinrich Konrad)」と名乗っているから「コンラドニオン (Conradonion)」なんでしょうけど、完全にハインリッヒ・バンドに対抗心燃やしてますね、これは…….


バンドネオン界に新たな混沌を呼び込むのはおもしろいですが、果たして…….



じゃあ、筆者も自分のバンドネオンのボタンレイアウト
「ゲドウニオン (Gedonion)」「ゲドウネオン (Gedoneon)」と銘打ってパテント取ろうかしら。

いや、誰もそんなん弾かないです。


以上

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