外道です。
トルコ音楽で最も使用されている弦楽器 Saz (Bağlama)についての記事です。あくまでも個人的に頭を整理するためのメモ程度のものです。おっぱじめるためにはある程度の下準備が必要です。とかいいつつ既にトルコの業者とやりとりし、発注済です。
サムネイルの写真は 数年前のメッセフランクフルトで撮影したものです。この時、筆者はFERHAT KAŞIKÇI 氏のデモ演奏に聞き入っておりました。バイオリンやギターなどの展示にはあまり興味がなく申し訳。
この楽器は主にトルコの伝統音楽と、民俗音楽、アラベスク音楽に使用されており、1500年以上の歴史があります。
Sazと呼ばれますが、どちらかというと「Bağlama (バーラマ)」が正式名称のようです。
[有名な奏者]
Aşık Veysel Şatıroğlu (アシュク・ヴェイセル)
Neşet Ertaş (ネシェ・エルタシュ)
Muhlis Akarsu (ミューリス・アカルシュ?)
筆者はトルコポップのこちらのPVで見かけて知りました。
これは「Elektro Bağlama」(= エレクトロ Saz)と呼ばれるもので、弦の振動を電気信号に変換して音を出力するタイプのもの。アコースティックなものとは別モノの印象です。それでもエレキギターよりはSazっぽいです。
このSazという楽器はボウル(tekne)、響板(göğüs)、ネック(sap)の3部構成で ボウル = 洋ナシのような形の丸い部分です。
ボウルの素材として使用されている木材は
桑、 ジュニパー(ネズ)、マホガニー、クルミ など
Sazの販売店探り
Duygu Muzik Evi
https://duygumuzikevi.com/
ロングネックよりショートネックの方が品揃え多い気がします。
プロ仕様の 10,000トルコリラの楽器 ≒ 約 86,641円 (2022/4/16現在)
バンドネオンと比較してしまうとお買い得な気がしてなりません。
1 Bn = 10~20 Sazという感じです。バンドネオンはお財布にやさしくありません。
Yılmaz Saz Evi
https://yilmazsazevi.com/
9弦のDivan Sazもあります。490トルコリラで一番安いSazがあります。22,000トルコリラのSazは単に値段が高いのか本当に業物なのか不明です。
Sala Muzik
https://salamuzik.com/
自社サイトは翻訳バッチリ、それだけでなく各国向けのAmazonサイトにも出品されており、輸出に力を入れているようです。ケースやスタンドなども一緒に提案してくれます。Saz以外の品ぞろえも豊富です。
Bağlama & Saz Modelleri ve Fiyatları – Hepsiburada
https://www.hepsiburada.com/baglamalar-c-402814
見やすいページです。448トルコリラ ≒ 3,868円(2022/4/16現在)で入門用Saz一式は安すぎます。Saz以外の品ぞろえも豊富です。
Erasaz
https://www.erasaz.com/
エレクトロサズと言えばこの店です。プロ御用達のようです。上達したらアバロン装飾付き高級品を狙いたいですね。
良いSazの条件
・楽器に亀裂や傷がないこと
・ネックが真っ直ぐであること
・弦がフレットに触れない (隙間は3mmが理想)
個人的なメモ
Saz は撥弦楽器で 弦は全部で 7本、上から 2-2-3 の複弦構成になっている。これはシンセサイザーのオシレーターやバンドネオンのダブルリードと同じ考え方、豊かな倍音を得る仕様。弦同士の共振も狙っている。
楽器の大きさの種類は多数
Meydan Saz:12弦
Divan Saz:9弦
Çöğür:通常のBağlama
Bozuk:エーゲ海と地中海地方で使用される
Cura:もっとも小型のもの
İkitelli:Curaより少し大きい古楽器
Kopuz:Bağlamaの祖先
Sazの祖先は Kopuz(コプズ)という弦楽器です。中央アジアの音楽で使用されるKomuz(コムズ)と関連しているようです。
Sazにはショートネックとロングネックのものがある。
・1960年代に習得を簡素化するために設計されたショートネック サズ
・本来の伝統的なロングネック サズ
3つの弦グループ(7弦3コース)、
上:2本中1本が 1オクターブ上
中:ユニゾン
下:3本中2本が 1オクターブ上
上から下に
ショートネック 19フレット:ラソレ(A、G、D)
ロングネック 23フレット:ソレラ(G、D、A)
調律アプリ Bağlama Akort ve Metronom
https://apps.apple.com/jp/app/ba%C4%9Flama-akort-ve-metronom/id1520458900
調律アプリ2 Saz Tuner – Bağlama Akort App
https://apps.apple.com/jp/app/saz-tuner-baglama-akort-app/id1130806495
ただし、チューニングパターンは複数存在する。(地域ごとの流派?)
実音と記譜が違う 実音ラ# ファ ド→ 記載 ソレラ
フレットの中間を抑えると四分音(半音をさらに半分に割ったもの)になる。このような微分音は西洋音楽では除外されたが、自然倍音を含みハーモニーとして本来は成立するものである。
右手:楕円形のナイロン製ピックを上から撫でるように下ろす。演奏に自分の指や爪を使用しても良いが、ピックは「mizrab(メズラブ)」と呼ばれるもの。使用目的は指擦れの保護。ティッシュをつまむ程度の力で良い。弦の下のボディに手を接触させて軽く固定し、ピックを操作。
左手:指を立ててフレットを抑える。
ロングネック:左手移動大変だが音域が広い、低音も出る。
初心者にショートとロングどちらを勧めるか賛否両論あり。現地の方はロングを強くおススメしている。バンドネオンと同じでつまらない揉め事も起きている模様。
現代は実用的なショートの方が主流とされている。( 同じオクターブ内の演奏をするならこれで十分とのこと)
筆者はロングの方が音色の響きが良いと思うのでロングに決定し、発注済。
楽器への水分はNG、基本的に空拭きで。極度の乾燥もNG、アルコールNG。
ケースに楽器を入れる前に、弦を緩めて綿の布で覆う。 弦を締める際は低い方から高く一方向に。
ケースに入れる際は弦を上にして置く。
楽器の保護はポリスチレン製ハードケースがおススメ (衝撃、虫、紫外線からの保護)
あと、いまさらですが、
この楽器、バンドネオンより難しいんでねえかと心配しております。
minimoogっぽい音色が好きです。
以上