外道です。
ウクライナ出身のロシアの作曲家 兼 ピアニストの
ニコライ・カプースチン 氏 (ニコライ・ギルシェヴィチ・カプースチン)
英:Nikolai Girshevich Kapustin
露:Никола́й Ги́ршевич Капу́стин
が2020年7月2日にモスクワで逝去されました。82歳没。
カプースチンの奥様 アッラ氏も7月6日(ニコライ・カプースチンの葬儀の日)に急逝された模様です。
[関連]
日本カプースチン協会
http://www.kapustin.jp/
ご冥福をお祈りいたします。
筆者は 11月6日にカプースチン 追悼コンサートを観に行きました。入場時の手指消毒、検温もバッチリ!

司会 :上野耕平(Sax)
ナビゲーター:川上昌裕(Pf)
プログラム
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紀平凱成(Pf)
「8つの演奏会用エチュード」より5番、「24の前奏曲」より11番、24番
角野隼斗(Pf)
https://hayatosum.com/
「8つの演奏会用エチュード」より1番、3番、7番
上野耕平(Sax) 率いる The Rev Saxophone Quartet
https://uenokohei.com/
「24の前奏曲」より1番、9番、12番、17番
piaNA (西本夏生、佐久間あすか)
http://www2.furano.jp/natsuki/
https://asukasakuma.com/
「連弾のためのカプリッチョop.146」(カプースチンよりpiaNAに献呈)
「2台ピアノのためのディジー・ガレスピーの”マンテカ”によるパラフレーズop.129」
川上昌裕(Pf)、大塚茜(Fl)、金子鈴太郎(Vc)
http://akane-otsuka.churavoice.com/index.html
「フルートとチェロとピアノのための三重奏曲」Op.86 第2,3楽章
高橋希(Pf)、松田拓之(Vn)、大宮臨太郎(Vn)、坂口弦太郎(Va)、山内俊輔(Vc)
「ピアノ五重奏曲」第1,4楽章
坂口弦太郎(Va)、川上昌裕(Pf)
「ヴァイオリンソナタ」op.70 第1楽章
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この演奏会、圧倒的としか言いようがありません!
非常に濃厚な時間を過ごしました。
筆者はしばらく満腹で音楽を聞く気がしませんでしたよ。
高度な演奏技巧が求められる曲が多いようで、音楽趣味が玄人志向な方はつい惹かれてしまうようです。
一方、筆者は頭がパカパカしてしまいあまりついて行けませんが、寝起きにふと音を思い出すとすごく気持ちが良かったりします。
その後、筆者は「私はバンドネオンで一体何やってるんだろ」「そもそもなんでバンドネオンなんかやってるんだろ」という脱力感に襲われました、恐ろしや!
さて、ニコライ・カプースチンについてです。
モスクワ音楽院ピアノ科在籍中、当時のソ連で西洋音楽やアメリカ音楽を聴くことが禁止されていた中、ラジオ放送ヴォイス・オブ・アメリカ(Voice of America)を聴いたことをきっかけにジャズに目覚め、その後、深く傾倒。
クラシック音楽の伝統的作曲法とジャズやロックを融合させた独自の作品を多数発表し、ピアノ曲を中心に作品番号 161まで作曲。80年代まではビッグバンドや弦楽合奏を用いたもの、室内楽は1990年代以降に増えていく。年代的には現代音楽に属する作曲家であるが、実験的なものではない。
カプースチンの楽曲一覧
中でもピアノソロ曲は生涯にわたって書き続けられておるようです。
こちらの動画はご本人による演奏
Op.66 3つの即興曲 no. 2
近年、日本において「8つの演奏会用エチュード」(1984)や「24の(ジャズ)前奏曲」(1988)といったピアノ作品が人気を博しております。
こちらカプースチン氏 自作自演のCDです



8 Concert Etudes/24 Preludes in Jazz Style
筆者は両方が 1セットになったものを購入しました!あ、本人の演奏ではないようですね。若干演奏テンポが遅いのが気になります。CDJあれば問題ありません。
おっと、カプースチン氏についてのおもしろい記事を見つけました。
こういうどうでもいい情報も良いと思います。
ピアノ弾くくせに酒なんか飲んでいいんでしょうか。
PTNA – モスクワ訪問記~カプースチンに会う/川上 昌裕先生
http://www.piano.or.jp/report/04ess/itntl/2003/03/05_8242.html
・日本料理や中華料理もお好き
・あまりニコニコと自分から愛想を振りまく性格でない
・ウォッカが大好き
PTNA – カプースチンを語る~その人柄、創作姿勢と音楽~ 1
http://www.piano.or.jp/report/04ess/itntl/2015/02/16_19258.html
Q1:「8つの演奏会用エチュード」は(カプースチン自身にとって)どんな作品なのか
A1:「私には、なんでみんなあればかり弾くんだろうと、逆に興味を失っちゃうんだよ」
Q2:どの曲が一番好きか
A2:「自分の曲は全部嫌い」
この記事に出てくる重要人物、
ピアニストの川上 昌裕 氏は生前のカプースチンご本人と親交の深かった演奏家です。
川上昌裕オフィシャルサイト
https://www.masahiro-kawakami.com/
日本のカプースチン研究の第一人者として、現在ピアノ演奏を録音したCDを続々と発売中!

[川上 昌裕 氏の CD]
カプースチンピアノ作品全曲録音I ピアノ・ソナタ第10番、6つの小品、他
カプースチンピアノ作品全曲録音II ピアノ・ソナタ第19番、ソナティナ他
カプースチン ピアノ作品全曲録音Ⅲ カプースチン:ピアノ協奏曲 第5番、六重奏曲、他
カプースチンピアノ作品全曲録音IV

カプースチン ピアノ音楽の新たな扉を開く
川上 昌裕 氏のお弟子さんである、
ピアニストの紀平 凱成(きひら かいる) 氏にも今後注目すべきと思われます。
紀平凱成 Kihira Kyle 公式サイト
https://kihirakyle.com/
小学生の頃からカプースチンの曲に夢中になって以来、熱心に練習されているようです。「難しい曲が楽しい」とのことです。
一方で、「バンドネオンは難しい」「悪魔の楽器と呼ばれている」と事あるごとに定例のアピールをしがちなバンドネオン奏者。
これ、そろそろ禁句にした方が良いかと思いますがね。
なんだかねぇ~
ピアノと比べてしまうとバンドネオンは狭い世界です。
パフォーマンスで見劣りする点はあるとは思いますが、バンドネオンには独自の魅力があるからセーフ!
音色も好きだし、操作方法も楽しいし。
さて、バンドネオンでカプースチンの曲を弾くのはこれからバンドネオン界のトレンドになったりするんでしょうか…..うーん!
カプースチンの曲はあまりバンドネオン向き……..ではなさそうです、残念。
パッと見ですが、バンドネオンの音域では厳しいです。
譜表の高音と低音をまたぎまくってます。そうでない曲を探して狙うしかないですが、果たして…..。
流れるような演奏をするために無理に譜面をアレンジをしてもピアノと比べて劣化版の演奏しかできないと思われます。
「我こそは」という熱心な方が世界のどこかで出現する可能性もあります。
筆者はぬる~い曲に力を入れているので遠慮します。
以上
おまけ:楽譜動画