外道です。
今回はトルコポップ(Turkish Pop)という音楽ジャンルの好みの押し付け記事なのですが、前置きがあります。
さて、当サイトの記事 アルゼンチンタンゴはいかがなものか
が一部の方にウケたようで良かったです。
いや~、ゴーストライターに書かせて正解でした。

実はあれを書いたのは兄の「邪道」です。(大嘘)
一点お詫びがございまして、曲そのものの悪口を一切書いてない事が判明しました、失礼しました。
今回はちゃんと書きます。割と真面目な記事なのでね。
筆者は1920年以降のアルゼンチンタンゴにあまり興味がございません。うーん、言いやがった。
といっても、よくバンドの解散理由に出てくる「音楽性の違い」みたいなもんです。皆さんもあるでしょう?
むしろ同じ音楽性などあり得ません。バンドを組むときはどこかで必ず妥協するはずです。(詭弁です)
話を戻します、
じゃあ、1919年より古ければ良いのか?
いえいえ、西暦はおおよその目安です。
黎明期から1920年くらいまでのアルゼンチンタンゴを
グアルディア・ビエハ(Guardia Vieja)と言います。
「古典タンゴしか認めねえ」というタンゴファンの中でもこのスタイルを好む方は相当保守的です。
アルゼンチンタンゴが現在の形になる前は、高級娼婦が客と娼館(あるいは娼館を兼ねた酒場)の待合室で踊るときのBGMです。当時は下品な音楽として上流階級の方に嫌われていたのです。
いや、いきなりいやらしいサービスをするのもアレですし、気分を盛り上げるためのちょっとした時間が大事だったりするわけですよ。
それがタンゴの踊りなんですね。もちろん、タンゴショーのような派手な技はこの時代は無しです。
で、面白いことに本来遂行されるべきいやらしいサービスよりタンゴダンスの方がメインになり、次第にダンスの技術が競われるようになりました。
ダンスが下手な娼婦には指名が入らないくらいにガチだったようです。むしろ、ダンスが上手い女性は娼婦をやらずに踊り専門で収入が得られるわけです!修羅の世界です。
筆者はグアルディア・ビエハ(Guardia Vieja)の当時の演奏スタイルが大好きです。この特徴を列挙すると、
①BPM早め (せかせかした雰囲気)
②下音がハバネラ調リズムで刻まれる (ピアノが担当しがち)
③素朴でストレートなメロディを演奏 (バンドネオンとフルートが担当しがち)
これが、1920年あたりから
①グアルディア・ビエハよりBPM遅め
②下音はコードで四つ打ち (バンドネオンとピアノが交代で担当しがち)
③元々のメロディをそのまま弾かずに、早弾き(バリアシオン)や装飾音あるいは凝ったアレンジを競うような演奏 (楽団ごとにスタイル異なる)
になりがちです。
これらの変化を経ると同時に上流階級からのタンゴへの支持が高まっているのがポイントです。BPMがゆったりした方が踊りやすいですし、複雑な演奏もしやすいです。(とくにバンドネオン奏者にはありがたいはず)
結果、徐々に洗練された舞踏曲になっていきました。
めでたしめでたし。
……..ダメだダメだ、わかってねえな~オイ!
見よ、グアルディア・ビエハのハイセンスな演奏を!
地味ながら殺伐としたこのような雰囲気が筆者には心地良いです。
やはり、野性味があってこそアルゼンチンタンゴよ。
大体、コードの四つ打ちはノリが気に入らねえ!(個人的意見です)
筆者はちょっと娼館に行って来ます!
筆者は Roberto Firpo (ロベルト・フィリポ)さんあたりが戦犯ではないかと思いますが、このような当時の流行りを覆す力は誰にもなかったようです。ま、仕方ないですね。
1917年時点で有名曲の La Cumparsita (ラ・クンパルシータ)が四つ打ちで演奏されています。これがナウかったのね。
売れるためには他の楽団もこのような四つ打ちにせざるを得なかったようです。ちなみに四つ打ちスタイルを拒んで追従しなかった楽団はお客さんの支持を得られず廃業 or 消滅です。
100年前の話なので、今更騒いでも抵抗は無駄です。
一方、同時期にアメリカ方面で流行った Ragtime (ラグタイム) はあなどれません。これは後に Jazz(ジャズ)やBlues(ブルース) に進化していきます。
③に関してはタンゴ野郎の皆さんもJazzに対抗心のようなものがあったのではないかと思います。その上で、互いにアレンジセンスやバリアシオンのかっこよさを競っていたものと思われます。(譜面の分析は専門家の方にお任せします。)
確かにグアルディア・ビエハ そのままの単調なメロディーは演奏技術としてはオルゴールレベルですし、耳が肥えたらつまらない可能性はありますね。
しかし、演奏が複雑になるのは曲の元々の雰囲気が台無しではないか、人為が過ぎるのではないかと筆者は憤慨しているわけです。(なぜか少し反論)
で、結果的にアルゼンチンタンゴはJazzではなくビートルズに完敗したようです。残念でした!
ちなみに、筆者はビートルズは全くダメです。聴くのに耐えられないくらいです。だからといって筆者はアルゼンチンタンゴの味方ではありませんよ、どちらかというと敵です。
タンゴにはもう一切期待しておりません。
好みの曲演奏されないし。(フテ寝決定)
長~い前置きはここでおしまいです。
タンゴの歴史の説明ざっくりでしたが、やや長かったですねえ。
今回のタイトルにあるトルコポップ(Turkish Pop)とグアルディア・ビエハ(Guardia Vieja)には共通点がございます。
②下音がハバネラ調リズムで刻まれる
これです、これ!
3曲ほど貼らせていただきます。
トルコの歌謡シーンにおいて
トップクラスの人気とセールスを誇る女性歌手
Demet Akalin (デメット・アカルン)
Derya Uluğ (デリヤ・ウルシュ)
Gülşen (ギュルシェン)
です。
盛り上げどころはハバネラリズムです!(バラード調の曲は除く)
この「ズッッチャ チャッチャッ」が重要なんです。
このような音楽にはまった結果、筆者は自然とトルコ共和国に興味が出てきます。
親日国とのことですが……果たして!
以上